CROSSTALK座談会

入社後のキャリアを知る

世界中にグループ会社を持つ日本精機では、キャリアステップの中で海外駐在を経験する社員も少なくありません。今回は、海外駐在を経験した入社10年前後の先輩たちに集まってもらいました。赴任先でどんな経験をして、どんな学びを得たのでしょうか。そして海外を経験する前後で、仕事に対する姿勢や感じるやりがいはどのように変化したのでしょうか。3名の実体験をひも解きながら、その答えを探っていきます。

  • Profile
    入社後は購買部に配属され、その後、香港への出向を経験。日本に戻り、2016年に現在の部署へ。休日は息子二人と公園で遊ぶ、優しいパパの顔も。
    朝妻 毅
    生産管理部 生産計画
    2005年入社
  • Profile
    2013年からの3年間、ドイツのミュンヘンへの海外赴任を経験。入社以来ずっとソフトウェア設計に関わっている。好きな言葉は「なんとかなる」。
    長谷川 敬士
    ソフトウエア設計部 HMI設計
    2008年入社
  • Profile
    入社動機は「スピードメータが好きだった」から。2年あまりのイギリス勤務で、大きなステップアップを実感。いつか再び海外駐在し、活躍することが目標。
    関川 遼太
    計器製造部 計器製造技術
    2007年入社

Q.1まずは、朝妻さんの
現在までのキャリアを教えてください。

朝妻
2005年に入社し、希望通り購買部に配属されました。当時はどんな仕事するのか分かっていなかったのですが、文系出身だったので営業か購買かな、どちらかというと購買がいいなと。購買部の仕事を大まかに言うと、物をどこから買うか、いくらで買うかを決める仕事です。1年目はアシスタントとして先輩について、見積依頼などの補助的な業務をしていました。2年目からは担当の部品を持ち、いわゆるバイヤー業務を担当していました。
5~6年後、中国のサプライヤーの調査・開拓の業務を担当しました。後に香港に赴任するのですが、研修で中国語も勉強していたので、いずれ中国圏へ赴任になるんだろうなと予想はしていました。ただ、中国メーカーとやり取りをする際も、相手は日本語ができる人も多かったので、中国語ができなくても仕事上はあまり不自由はしませんでした。
2012年11月に香港に赴任。現地ではサプライヤー調査を継続しながら、調達の仕事も担当しました。注文書を出して、実際に部品を集めるという業務です。購買といっても今までは意外と実物を見ることが少なかったのですが、香港ではその機会が増えました。購買という仕事の一連の流れを見ることができたと思います。
関川
海外を経験すると、視野が広がりますよね。私もそれまで現場に足を運んでいるつもりだったんだけど、海外駐在を経験して、全然そうじゃないことが分かりました。
朝妻
例えば個人商店だと、営業も経理も全部自分でやるのでしょうけど、日本精機では色々と部門が分かれています。特に新入社員の頃は、その切り分けされたところしか目に入りませんが、色々な業務を見て広い視野で仕事をした方がいいと感じています。海外に出ると、一人でやる業務が一気に増えるので、視野を広げる機会になります。
関川
私も行く時は「よし、やってやる!」という意気込みで行ったんですけど、いざ行ってみると今までやっていた仕事が全体のほんの一部であったことを思い知りました。海外赴任先では多岐にわたる業務を任されるので、初めての事ばかりで一日中右往左往していました。
朝妻
そうですね。向こうでは「日本から来た人=何でも知っている人」と見られるので、「これ教えてください!」と現地のスタッフが何でも聞いてきますよね。
関川
現地のスタッフは自分たちに期待をしているので、「この人からどんな刺激がもらえるんだろう」という目で見てきます。彼らに期待外れと思われないように頑張らないといけないですね。
朝妻
長谷川さんって、どこに行ったんだっけ?
長谷川
ミュンヘンです。
朝妻
二人ともヨーロッパなのね。
関川
私はイギリスに行っていました。長谷川さんとは同時期に駐在していたので、時折業務で電話をかけたりしてましたね。朝妻さんも、香港だと結構色々な拠点の部品が集まってくるんですよね。
朝妻
世界中の工場に部品を送り出す拠点だったので。
関川
私がいた工場にも部品を送ってもらっていました。
朝妻
国によって時差もバラバラなので、色々な時間に電話をもらってました。当然こっちから連絡することもあるので、現地の時間は常にチェックしていましたね。そろそろ出社したかな、みたいな。日本には2015年に戻ってきました。帰国後は最初にやっていた部品を担当しつつ、しばらくしてからはキャリア入社社員の教育も任されるようになりました。自分が担当していた部品を教えながら、私は新しい部品を覚えて。購買部は、担当する部品によって必要な知識が全く違います。
これまでは部品を買う仕事でしたが、今所属している生産管理部では製品を組み立てる計画を作る業務をやっています。

Q.2長谷川さんの
現在までのキャリアを教えてください。

長谷川
入社後すぐはソフトウエア設計部で、コンビメータの設計担当でした。コンビメータというのは、スピードメータやタコメータ、気温計などが集まっているもの。コンビネーションのメータですね。最初は国内メーカーの自動車のメータ、後半は海外メーカーの自動車のメータの設計業務を担当しました。
ソフトウエア設計部の仕事は大きく二つに分かれていて、プログラミングをやる『ソフト設計』と、お客さまからの要望をソフト設計担当者に伝える『仕様設計』があります。私は、入社後1年目からはソフト設計担当でした。何も分からず、プログラミングが得意というわけでもなかったので、言われたことをやる、できたものをテストするといった感じでした。4年目から仕様設計のグループに移りました。ミュンヘンの現地法人とのやり取りをしていたのですが、当時は現地の日本人の担当者がお客様の要求等を日本語で日本側に伝えてくれていたので、特に海外を相手にしている感覚はありませんでしたね。
2013年12月にミュンヘンに出向になりました。今度は私が現地のお客さまの要望を日本に伝える役割になりました。英語が必要になること、社外の人と話さなければいけないことが大変でした。人見知りだったので(笑)。でもやっていると慣れてきますね。
関川
名札に星マークもついたよね。これは英語ができる証なんですよね。
朝妻
質問なんですけど、プログラミングって、何も知らない人が入社後に覚えられるもの?
長谷川
最初の研修で勉強するんですけど、最初はやっぱり難しいです。私はちょっとずつ教えてもらいながら覚えました。
関川
私も学生時代にプログラミングを少し習ったのですが、プログラムは文系と同じだと思うんですよね。上手く順序立てて、それが一番少ない手番でできて、漏れがなければ、プログラムとしての出来が良い。プログラミングが上手な人って、話をするのも上手だったりしますよね。
長谷川
そうですね。「組み立てること」が上手いですね。
関川
多分そういう人は何をやらせても上手にできるんじゃないかな。ソフトウエア設計の方は、理数系出身だけど文章も上手。うらやましいなって思います。
長谷川
もったいないお言葉で(笑)。
2016年に帰国して、今度作るメータは針がなくなって、画面の中で絵の針を動かすというものになったんですよ。今までやってきたものと全然違うので、新しいことを勉強している最中です。
関川
これまでのメータは決まった場所にしか表示が出なかったのに、今は常に一番見やすい場所に大事なインフォメーションを出さなきゃいけないのが難しいですよね。
長谷川
消しちゃいけない表示とか、隠しちゃいけないものとか、動いちゃいけないものとかあるので。運転中にスピードメータが消えるなんてあってはいけないですから。

Q.3関川さんの
現在までのキャリアを教えてください。

関川
私は2007年に入社しました。二人の間の年ですね。約7年、生産技術部の工程設計として、新機種の製造工程を設計したり、レイアウトを考えたりしていました。最初は国内向けの機種を作る工場を担当しました。どうやって組み立てたら効率が良くなるかを考えていました。それに慣れて3~4年経った頃から海外で生産される機種を任されて、現地での立ち上げを経験しました。主にタイや上海で製造する機種の担当でした。その後、2015年1月からイギリスに赴任することが決まりました。それまでは一生懸命中国語を勉強していたんですが(笑)。
朝妻
入社した頃はまだ英語をそんなに話せなくても、いざイギリスに行くとなると、スイッチ入りますよね。できないと生活すらできないですもんね。
関川
当時はストレスを感じたんですけど、今となっては感謝しています。赴任してみると、相手が何を言っているか分からないんです。ビジネス会話なので難しい。ひとつの文章を10分くらい調べて何とか話すんですが、相手から返ってくる言葉がまた理解できなくて、その繰り返し。会議に出ても自分が何をやればいいのかが分からない。最初のころは苦労しました。仕事内容も日本にいた頃とは変化があり、工程設計したものが製造ラインの中でうまく定着しているかをチェックするところまで役割が広がりました。工程が不完全であれば品質に問題が出たり、生産に遅れが出ます。
それまでは現場をよく知った気でいたんですけど、いざローカルスタッフとのチームと業務を続けていくと作業者がやりづらい作業がたくさんあることが分かりました。やりづらい作業は不良品の原因になるので、そういった設計をしてはいけないと強く思うようになりました。それから仕事のスタイルを変えていき、上手く行き始めた時に、帰任の時期が来てしまい、悔しい気持ちでした。
朝妻
赴任の期間は決まっていても、帰任時期が多少前後することもありますよね。でも決めていたことが途中で終わってしまっても、自分や職場にとってプラスの影響を残せたならいいかなと私は思います。「何にもできなかった」って思わなくていいと思います。
関川
帰国後は、改善グループに所属しています。製造現場を良い方向に変えられるのであれば、手法に縛りなく改善をすすめるのが役割です。現場のあちこちに改善の余地があり、今までの経験を活かせている実感があります。同じところばかりを見ていると、同じようなアイデアしか出てこないと思うのですが、違うスタイルのところをいくつか見てきた(UK-NSIをはじめ他の現地法人)ので、それらを組み合わせて自分なりの改善を施せたらいいなという意気込みでやっています。ベースの部分では工程設計の知識が役立っていますし、駐在中は品質保証の仕事を見ることができたので、その立場からも考えることができるようになりました。

最後に学生の皆さんへの
メッセージをお願いします。

朝妻
海外に行きたいという意気込みがある人に来てもらいたいです。色々と大変なこともあると思いますが、やる気のある人と一緒に働きたいです。
長谷川
学生のうちに海外旅行に行って外の世界を見るのもいいと思いますし、やりたいことが決まっていなくても会社に入ってからやりたいことが見えてきたりもするので、まずは何事も挑戦してみたらいいんじゃないかなと思います。
関川
日本精機は同期入社の人数が多い会社です。その塊はすごく大きくて、2017年新卒入社の96人は、社員全体の6%を占めます。それだけの同期と力を合わせて次の世代を作っていけるのはチャンスかなと思います。正直うらやましいです。
朝妻
色々な部署に知り合いを持てるのはいいですよね。
関川
私たちくらいの年齢になってくると、横の繋がりがありがたくて。ちょっと何かを頼みたい時に気心が知れているとスムーズです。そんな仲間が100人近くもいるなんて、良いですよね。あとは、入社前の意気込みをずっと消さないままで持っていてほしいです。ダメな時にも絶対に諦めないで。自分に言い聞かせている言葉でもあるんですけど。
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