児玉
プロジェクトのスタートは2021年4月2日。「BtoCの新企画をやる」という上司の言葉から始まりました。今まで当社はBtoBをメインとしてしかやってこなかったのですが、そこで培った技術を活用して日本精機のオリジナル商品の開発ができないかというチャレンジでしたね。社内プレゼン用の企画書の締切はなんと1週間後。それが大変だったね。
そこで目をつけたのが、約2年前から開発を進めていたスマートディスプレイ。リモコンの機能に加え、リビングに馴染むデザインと、あったら便利だなと思う機能を搭載することができないか。という発想が出発点になっています。
スマートディスプレイの問題点は、機能が多すぎたこと。値段が高くなりすぎてしまうし、どんな商品なのかも分かりにくい。そこで、機能を絞り込むことにしました。
小林
協力していただいたのがグループ会社でもある新潟マツダ自動車。お店で働くスタッフの皆さんに、どんな機能が欲しいか聞かせてもらいました。そこで人気だったのがCO2濃度の測定機能。カーディーラーなので日々接客のシチュエーションがあるんですが、十分な換気ができていることをお客様に伝えたいという声がありましたね。
児玉
もともとスマートディスプレイが「光と透明感」をデザインのテーマにしていたので、その延長線上でCO2Lampの構想が出てきました。世の中にある二酸化炭素計は数値が表示されるものがほとんど。厚生労働省は1000ppm以上になったら換気が必要だという基準を出しているんですが、まだまだ世間の人はそれを知らない。そのため、もっとシンプルに視覚的に分かる方法はないかと検討し、天面の大型発光体で3段階の色によって表示するというコンセプトが決まりました。
小林
他社製品も色々と調べましたが、やはり数値表示のものが圧倒的。粗悪品も多く、ニュースなどでも注意喚起されていました。アルコールで反応してしまうとか、CO2を認識しないとか、そういった中でMade in Japanの信頼できる製品が必要であると感じました。あとは、遠くからでも分かる色と光の表示もいいと思いました。
児玉
小林さんに市場調査もしてもらって、私たちの独自性をみんなで話をして、あえて数値の表示をなくそうと決まりましたが、英断だったよね。信号機のように3段階の光でお知らせするというのが、大きな特徴になりました。
中尾
ユーザー視点に立ち、子どもにも分かりやすい方法を検討して最大の特徴が決まりましたね。そこから、商品の見た目やコストなどを含めた企画書を1週間でまとめました。
児玉
CO2Lampはほぼ1週間でできたと言えますね(笑)。大崎さんががんばって3Dモデルやサンプルも作ってくれました。
中尾
会議室を占領して、ほぼ毎日打ち合わせをしていました。ホワイトボードも「消さないで」と書かれた状態でした(笑)。
大崎
コロナ禍で各社が二酸化炭素濃度計を発売し始めていたので、スピードが重要でした。メンバーでかなり密にやり取りをして企画を詰めることができていたので、社長への報告後、すぐにOKが出ましたね。