PROJECT STORY02

高レベルな技術的要求をクリアし、
次世代電気自動車のメータを生産する。

自動車用メータは日本精機を代表する製品の一つであり、世界でトップクラスのシェアを占めています。完成した製品を販売するのではなく、各自動車メーカーの要求を受け、量産のための設計や計画を提案して受注に繋げるオーダーメイドのような側面があるため、日本精機の各部門が一丸となって取り組むことが不可欠。あるプロジェクトを例に、その流れを追っていきます。

 

MISSION

新機種の量産体制を
確立せよ。

次世代電気自動車とは

世界中で販売される、次世代の100%電気自動車。同一車線自動運転や先進安全装備などの最新機能が多数搭載されるため、メータには各情報をドライバーへ伝達する使命があり、技術的要求も広範囲かつ高レベルなものとなる。ドライバーの目に直接触れるパーツでもあるので、色やデザインも妥協が許されない。

MEMBER

  • 坂井 貢

    坂井 貢

    • 第2営業部
    • シニアマネジャー
  • 村山 尭俊

    村山 尭俊

    • 第2営業部
    • 東京営業所
    • アシスタントマネジャー
  • 小黒 真

    小黒 真

    • 東京テクニカルセンター
    • ソフトウエアAP設計2
  • 池田 暁彦

    池田 暁彦

    • 東京テクニカルセンター
    • ソフトウエアAP設計2
    • マネジャー

逆転からの受注

村山

その自動車メーカーとは初めて取り引きをして以来、しばらく受注が途切れてしまっていました。2013年に坂井さんが積極営業をかけ、受注を獲得しました。私が入社したのもちょうど2013年です。

坂井

私は以前、コンポーネント事業部で民生機器の営業を担当していました。当時はそこから異動してきたばかりだったので、まずお客さまを訪問したのですが、日本精機の評価があまりに低いなと感じました。詳しく聞いてみると「高い」「ムダがある」「遅い」という評価だったのです。これは自分が感じている日本精機の強みと全く逆の評価。実力を示せていないぞ、と感じました。そこでそのイメージを払拭するために、色々な部門と連携をしてサンプルをお客さまに提示したり、技術者を紹介したりして、日本精機の実力を認めてもらえるよう努めました。世界展開をする機種だったので、海外の生産拠点が充実していることもポイントになりました。また、お客さまがどのくらいの価格を考えているかという情報も集めて、コストを提示しました。ここまでやったのだから受注できて当然だと考えています。実は競合企業の分析もしたのですが、一番シェアを取っている会社には絶対に負けていないという自信があった。これだったら勝てると。その時点で営業は私一人だったんですが、優秀な村山くんが入社してきたので一緒に取り組むようになりました。

村山

入社して2ヶ月半、同期と集合研修をして、その後は8ヶ月ほど品質保証部で研修をしていたんですけど、その頃から坂井さんは営業に関する情報を送ってくれ、ちょこちょこと資料作成などをやっていました。もともと研修は2年間の予定だったんですが、ネコの手も借りたいという状況になってきたそうで1年経たないうちに配属となりました。配属後最初の週からお客さまの元へ同行させていただき、とても感謝しています。正直、その頃は「早すぎる!」とも思いましたけど(笑)。

坂井

優秀なネコ。いや、新入社員でした(笑)。
世の中に無いものを生み出すことは本当に大変なこと。しかし、だからこそやりがいがあります。彼は常に前を向いて成長しようと必死に食いついてくる。なので、多少の無理難題も任せていましたね。

村山

無理難題といえば、お客さまとの大きなミーティングの司会進行もやらせてもらったことがありました。最初の1〜2分話しただけで、それ以降は全くついていけなくなって。見かねた坂井さんが仕切ってくれたのを覚えています。当時はすごく悔しかったですし、何でいきなりこんな大事な役を自分が任されるんだろうなという思いもあったんですけど(笑)。坂井さんなりの教え方だったのかなと。

坂井

参加者の半分以上が役職者。村山には直前に司会を命じました(笑)。度胸試しじゃないですけど、そこでくじける人もいると思うんですが、彼は絶対にくじけず、ステップアップのきっかけにできると思った。

村山

いいチャンスをいただけたと、今では思っています。

坂井

同じようなやり方で設計さんにも仕事をお願いしているので、時々嫌われます(笑)。

急激に進化する技術に、
決して遅れを取らない

小黒

私も村山と同じく、ちょうど受注したタイミングで、2週間後にお客さまの工場にゲストで行ってこいと言われました。車の設計はちょっと特殊で、メーカーがやるのは大枠の設計がメインで、部品間の仕様の整合などは我々のようなサプライヤーが考えて決めていきます。そういう立場の人を「ゲストエンジニア」と呼び、短く「ゲスト」と言ったりします。メータ単独で動きを決めることはできなくて、メータをこうしたいから他の部品はこうしてほしいと要求をしたり、逆に要求を受けたり、そういった整合をとっていきます。

坂井

自動車業界では一般的な方法ですね。つまり、お客さまに代わって仕様を作っているんですよ。

村山

もちろん受注を取る段階でも、設計の協力は必要で、ソフト設計だけでなく、回路設計や外装設計など色々な部門が一緒になって、日本精機としての提案を組み立てます。

坂井

当社はパッケージ化された製品を売るのではなくて、まず開発行為を売って、その後にものづくりに繋がっていくという形。たとえば、海外工場、日本の生産技術、購買、品質保証部など、受注を取る前の活動から部門が連携しています。

池田

私は途中から参加して、まだプロジェクトに加わって1年です。開発の佳境にトラブルが発生し、苦労しました。

小黒

お客さまの工場での量産が始まる直前に、ソフト的な不具合が見つかったんです。メータのプログラムを正しいものに書き換えていくのですが、途中で書き換えの失敗が見つかってしまった。その時点で半分くらい書き換えが終わっていたのですが、それらをすべてもう一度確認しなければならなくなりました。データ照合をする長岡の品質保証部のメンバーとテレビ会議をしながら進めていきました。

坂井

日本精機は昭和51年に液晶のメータ製造をスタートしたのですが、当時の液晶メータと今のメータのレベルは格段に違っていて、彼らの設計している領域は当時の何百万倍にも広がっています。あんまり優しくすると調子に乗りますけど(笑)、それくらい大変なことなんです。時代の先端のところに私たちはいて、そこで勝負をしています。設計者たちは絶対に間違わず、かつ最も有効な設計仕様を提案するという難しい使命を持っているんです。

小黒

私が入社した時は、一つの車のメータを2~3人でプログラムを作っていました。今だと多い時では最大50人が参加します。今回の機種はメータの半分が液晶画面。液晶画面は年々大きくなっていますし、メータに表示される警告も増えているんです。シートベルトをしていませんよとか、サイドブレーキを解除してくださいとか、最近の車だと、車線外れてますよとか、電気自動車だと、充電がなくなりますとか。しかも、もともと表示されている絵を崩さずに、新しい表示を重ねていかないといけない。これが実はすごく大変なことなんです。

「やる」と決めた時の力強さ

小黒

お客さまからの要求も、後から後から増えてきます。

池田

電気自動車や自動運転は最先端なので、まだルールが決まっていないところもいっぱいあると思うんです。だから新しいものをやった者勝ちなところがあるんじゃないかと思います。他社よりも先にやりたいという思いを自動車メーカーは持っています。車を買う時は、色々なメーカーを見るじゃないですか。販売店が消費者から「別のメーカーにはあの機能があったのにな」と聞くと、本社に要望を上げて、そこから機能が増えていくということもあるんだと思います。

坂井

量産がスタートする最後の最後まで仕様変更はあるんですよ。

小黒

メータって目に見えるので、官能評価も関わるんです。「何か暗くない?」とか。その一言で仕様変更になることもあります(笑)。

村山

この場にいない外装設計の領域の話なんですが、今回の機種のメータって青い色が使われるんですよね。この青の色味もこだわりをもって決めています。一般の方から見たら違いが分からないようなレベルの差でも、お客さまと日本精機が納得いくまで時間をかけて何度もサンプル製作・確認を続けた結果、現在の色味になりました。

坂井

色は厳しいよね。時代によって変わってくるし、カンパニーカラーになるので、お客さまも特にこだわる。まさに官能の世界というか。

村山

そう、そんな時にも頼りになるのは、日本精機の強みでもあるチーム力だと思います。色々な部門が絡むんですが、必ずやりきるし、協力し合いますよね。

池田

何かが起きた時に、営業は人を集めることを引き受けてくれる。それぞれの役割の人たちが揃うから、取り組みがスタートできる。そういう意味で多少強引なところは必要なんだと思うんです。優しいばかりじゃ仕事にならないし、引っ張ってくれる人がいるので上手く動いているんじゃないかと思います。

村山

緊急ミーティングは多いです。営業が招集をかけるんです。「やるしかない」というスイッチを入れるのは営業なんですけど、みんな必ず集まってくれるのでありがたいですね。

坂井

他の会社の話を聞くと、当たり前のことではないみたい。当社の場合、どの部門のマネジャーも責任感が強い。号令をかけてスピードが衰えたことはなくて、加速しかない。

小黒

みんなが納得して動き出すとすごいスピードですよね。

現状に立ち止まらず、未来を見つめて

小黒

開発スピードが年々急加速していく中で、お客さまに何かを言われてから考えているようではもう追従できないと考えています。トレンドを見極めて開発を進めていくことが重要。先行開発ですね。今まで設計部は先行開発と量産開発に分かれていましたが、量産部隊も先回りする姿勢が求められてくると思います。そういったことも考えながら量産機種の開発をやっていきたいです。

池田

メータのほとんどが液晶という時代になってきたので、我々の強みだった機械的に針を動かすというのは不要な技術になりつつあります。タブレットを取り付ければメータの代わりになってしまうような時代ですから、競合する会社が今までと変わってきているんですよ。スマホを作る会社がライバルになる可能性もある。そんな中、いかにドライバーに分かりやすく情報を伝えるかというノウハウを持っていることは私たちの強みかもしれません。今までとは違う情報の伝え方などを考えて提案していくべきなのだろうと思います。

村山

入社から5年で、坂井さんにビシバシ鍛えてもらいながら、新機種受注から量産まで一連のサイクルを経験することができました。実は営業でそこまで幅広く関われるのは珍しいこと。その中で社内外の方々と信頼関係を築けている実感があります。今後メータの姿はどんどん変化していくので、最新情報を社内の開発チームに展開していきながら、将来も仕事が取れるような営業でありたいと思います。あとはやっぱり海外に挑戦したい。人生は一回しかないので、せっかくなら色々な国に行って、色々な人と関わる人生を送りたいなと思っています。それができるようになるためには、営業の目線だけでは足りないので、設計の目線だとか、工場スタッフの目線とか、相手の立場で考える力を養いたいと思います。

もう一つ、未来の新入社員の方々に向けてのメッセージを。メータは受注から量産までのサイクルが2~3年なのですが、長すぎず短すぎない。それでいて色々な人と関わりながら仕事ができます。そういったプロセスを経て、量産された車が街を走っているのを見かけると達成感を感じます。開発中はすったもんだするんですが、それも含めてやりがい。世界で活躍できるフィールドがあり、やりたいことがやれる環境があるので、そういったことに魅力を感じる人に来てもらいたいですね。

坂井

私は、こんなに小さなところで終わりたくないんです。取引先は1000万台の車を作っているのに、今の受注はその一部でしかない。具体的な数字は公表できませんが、もっと多くのメータを受注したい。これは営業部長としての目標です。そして、日本精機の社員が本当の意味で一つの方向を向けたら、とてつもない企業になれると信じています。それを方向づけることに一役買いたいなというのが絶対的な目標。すごい才能集団だと思っているので、これを一丸にできたらなと思います。

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