当社は、株主の皆様をはじめ、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会などのステークホルダーとの信頼関係を重視しております。
加えて、当社は、持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現のため、非財務情報を含む適切な情報開示、取締役等の透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を支えるコーポレートガバナンス体制の実現、株主との建設的な対話が、最重要課題であると認識しております。今後も持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現に取り組んでまいります。
当社は、監査等委員会設置会社として、取締役会と監査等委員会を中心としたコーポレートガバナンス体制を構築しております。業務執行の迅速化および監督機能と業務執行機能の役割の明確化を図るため、業務執行の決定権限の一部を代表取締役社長に委任するとともに、執行役員制度を導入しております。
当社は、会社法および会社法施行規則に基づき、当社の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を前項のように整備しており、この体制をより充実させてまいります。
当社では、会計監査人と監査等委員会との定例会を開催し、情報の共有化を図っており、また、内部監査部門と常勤監査等委員は毎月定例会を開催し、監査結果の共有と連携を図っております。
また、会計監査人、監査等委員会および内部監査部門による三様監査会議を年3回程度開催し、内部統制上の課題等の情報の共有化に努めております。
コーポレート・
ガバナンス報告書
【評価のプロセス】
当社は、取締役会を構成する取締役にアンケートを実施し、その結果を独立社外取締役で検討し、その検討結果を踏まえ、取締役会に報告することで、毎年、取締役会全体の実効性について分析・評価を行っております。
【評価結果の概要】
その結果、昨年度については、取締役会全体の実効性については確保されていることを確認することができ、取締役会の運営、取締役会のモニタリング機能、取締役会への報告方法等も実効性が向上していると評価されました。一方、中期的な課題を議論する機会が一層必要であることなどが共有されました。これらの意見を踏まえ、取締役会の実効性の更なる向上に向けて、改善に取り組んでまいります。
当社の取締役候補者の指名にあたっては、経営者としての経験、能力、実績等を総合的に勘案し、再任取締役の場合には、在任期間中における業績への寄与度も考慮した上で選定・指名を行うために、独立社外取締役を委員長とし、独立社外取締役が過半数を占める指名委員会の審議を経ることとしております。
また、社外取締役候補者については、(1)専門家としての知識・経験を活かし、外部の客観的視点で意見を述べて頂き、それを経営戦略・計画の策定および重要な業務執行の意思決定に反映させること、(2)会社と経営陣・支配株主等との間に利益相反が生じないよう監督すること、(3)株主等のステークホルダーの意見を取締役会に反映させること等、当社が社外取締役に期待する役割を踏まえ、当社グループの今後の発展に不可欠な候補者の国際感覚、専門性、経歴等を総合的に判断した上で候補者の選定・指名を行っております。
当社の監査等委員である取締役候補者の指名にあたっては、監査等委員に求められる役割を適切に遂行することが可能な知識・経験および能力、ならびに個人的な実績等を総合的に勘案した上で指名を行っております。
当社では、リスクマネジメント委員会を設置し、事業運営上の各種リスクの低減および対応を図っております。
リスクマネジメント委員会はBCP部会、防災部会、機密管理部会により構成されます。BCP部会、防災部会ではBCPにて事業継続プランの策定および災害リスクの低減を行っており、機密管理部会では情報セキュリティ対策を行っております。
近年、世界各国での地震、火災、爆発、風雪水害などの発生が相次ぎ、また、パンデミック(新型コロナウィルス感染症)が世界各国で広がっています。サプライチェーンの維持に多大な影響が想定されるため、事業活動を停止させるリスクやボトルネックに対し、どのような対策を講じているかが求められており、事故発生時に「経営損失」回避のために可能な事業継続戦略の策定と実施が必要とされています。
当社グループでは「火災」、「地震」、「風雪水害」、「感染症」といった災害により、事業停止に追い込まれないために、重要業務を絞り込み、事業継続プランの策定を推進しております。
災害・事故・事件等の発現に際しては代表取締役社長が指揮を執るオペレーション会議にて、損失最小化策と事業継続可能性の審議および顧客納入リスクの判断を行っております。
当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の仕組みを構築し、従業員の教育も含めて情報セキュリティの維持・改善を継続的に行うことで、グローバルで安全な情報管理に取り組んでいます。特に、顧客情報や営業情報、技術情報、個人情報等を重要な情報と考え、これらの情報の漏洩、紛失、破壊及び改ざん等のリスクから保護するための適切なセキュリティ対策を行っています。
ITセキュリティ面では、昨今のサイバー攻撃リスクの高まりに対応し、EDR(エンドポイントでのサイバー脅威の検知と対応の仕組み)をグループ全体に導入するなど、より強固な防御の仕組みを導入しています。
また、社内的な仕組みだけでなく、TISAXと呼ばれるドイツ自動車工業会の定める情報セキュリティの認証を日本と欧州で取得し、日本の自動車産業サイバーセキュリティガイドラインに対応したりするなど、セキュリティ水準の維持向上に努めています。
加えて、自動車業界での製品安全意識の高まりを受けた対策の標準化(ISO/SAE 21434)に対応した仕組みをグローバルで構築、運用し、製品のサイバーセキュリティ対策を確実に行っています。
当社は、「有益権利の確保」、「知財安全の確保」、「権利活用の強化」の基本方針に基づいて、知財財産活動を推進しています。
「有益権利の確保」では、特許性のある発明を発掘、評価し、評価の高い発明から権利取得して、事業を優位に進める基盤作りを推進しております。また、受注獲得を支援するため、製品の流通国や競合企業に対応した権利取得を推進しております。
「知財安全の確保」では、開発/設計フェーズに応じた特許調査を実施することで知財リスクを管理しております。
「権利活用の強化」では、彼我検証活動として他社製品の検証を推進しております。弊社の保有権利の使用が確認された場合は、ライセンス等の適切な権利活用を行っています。
日本精機グループは、より一層社会から信頼される企業集団となるために、コンプライアンス重視の経営に取り組み、社会の責任ある存在として法令および倫理を遵守し、健全な企業活動の実践を心掛けております。
私たちはコンプライアンス行動指針を制定し、取締役をはじめ従業員一人ひとりがその行動指針に基づいて行動することにより、社会から信頼される企業集団を目指します。また、お客様に満足していただける価値の高い製品・サービスを提供することにより、社会の繁栄に貢献してまいります。
コンプライアンス
行動指針
当社は、コンプライアンス推進のため、代表取締役の下、コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス・オフィサーに取締役または役付執行役員を任命しております。コンプライアンス委員会は、全社横断的なコンプライアンス体制の整備および問題・課題把握と啓発活動に努め、コンプライアンス違反に関する重要な問題点について審議し、継続的改善を推進しております。
また、各業務担当取締役および執行役員は、各業務部門固有のコンプライアンスリスクの分析と対策を行い、継続的に質向上を図っております。
当社は、全社員が携帯するTQMノートにコンプライアンス宣言、内部通報制度、コンプライアンス行動指針を記載し、コンプライアンスとは何であるかを啓発するとともに、その周知を行っております。
また、コンプライアンス委員会年間活動計画に基づき、新入社員向けコンプライアンス研修、顧問弁護士による管理職向けコンプライアンス研修、啓発資料の配信(年4回)を、グループ会社を含めて実施しております。さらに、グループ会社で発生したコンプライアンス事案について、各社のコンプライアンス委員会や総務部長に情報共有を行うことにより再発防止を図っております。
その他、営業部門や海外出向者等に対する独禁法研修、全社員に対する年1回のインサイダー取引防止研修を実施することにより、法令遵守意識の向上を図っております。
当社は、公益通報者保護法を踏まえ、関係会社を含む、不正を知る従業員等からの通報を社内、社外(弁護士)の窓口で受け付け、内部通報者の保護を図りつつ、適切な調査、是正および再発防止策を講じる「内部通報制度」を構築しております。
内部通報を匿名でも行うことができるとし、担当者に守秘義務を課すことにより、内部通報者の保護を徹底しております。また、内部通報窓口の責任者をコンプライアンス委員会とし、一定の重大事案については社外取締役への報告を義務付け、利害関係者の事案への関与を禁止することにより、内部通報窓口の公正性、独立性を確保しております。
当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。
マルチステーク
ホルダー方針