お知らせ
2022.04.01

2022年度 新入社員への社長メッセージ

当社・日本精機は、4月1日、17名の新入社員を迎えました。
社長の佐藤浩一による、新入社員へのメッセージを、以下の通りお知らせします。

<はじめに>
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
マスク越しではありますが、皆さんの精悍な、凛とした表情を拝見し、とても嬉しく、頼もしく感じます。必ず将来、成長して日本精機を支える人財と確信しました。日本精機に入社して頂いたことに感謝いたします。

<変革期におけるチャレンジ>
 私たち日本精機グループが軸足を置く自動車業界は100年に一度といわれる大きな技術とビジネス変革期の真只中にいます。いわゆる“CASE”のインパクトです。CASEの「C」はコネックテッド・つながるクルマ、「A」はオートノマス・自動運転技術、「S」はシェアード サービス・自動車の共有、最後の「E」はエレクトリック・電動化です。地球環境保護と併せて持続可能な社会を実現するため、カーボンフリーを目指した取り組みも加速しています。
 このような激しい変革期に会って企業として健全に成長しながら生き残るのは難しい事ですが、逆に大きなチャンスでもあります。
「クルマが外部と繋がると、メーターやヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)が果たす役割はどう変わる?」「自動運転車に、どのようなセンサーが必要になる?」「シェアードサービスでは、どの機能がクルマに備われば便利になる?」「電気自動車用にメーター・HUDの軽量・省電力化はどこまで追求できる?」など、ビジネスを拡げるチャンスは無限にあります。
 この変革期を「困った、面倒だ」とネガティブに捉えるか、今だからこそチャンスと捉えて新しい取り組みにチャレンジするかは、皆さんも含めた我々次第です。勿論、私たちはチャレンジの道を選びます。

 また、CASEによる大変革と併せて、新型コロナウイルスの影響も押し寄せています。
 これまで、従業員の集団感染、クラスターは発生させず、全従業員の協力のもと感染拡大防止に注意して、生産停止を免れてきました。今は世界中でワクチン接種が進み、景気の回復局面ですが、急速な需要の回復に対して、物流や半導体部品などの供給が追い付いていません。その結果、日本精機グループも、部品の調達が難しくなったり、物流や部品のコストが高騰したり、自動車メーカーの生産計画見直しの影響を受けるなど、厳しい経営状況です。
 しかし、私たちはこれらの困難に逃げることなく、全社一丸となって対策に取り組んでいます。これらの困難は、「売上減少」あるいは「コスト増」といった収益にネガティブなインパクトを与えるものですが、私たちは「筋肉質な企業体質への変革」を促し、売上が減っても、輸送費が掛かっても、半導体部品コストが掛かっても、「利益をしっかりと出す仕事のやり方」に会社を変えています。
 この企業改革は、新技術の開発やビジネス革新とは違った意味でのチャレンジです。ぜひ皆さんの新しい感性で、斬新なアイディアを出して頂き、一緒に、そして地道にチャレンジしてください。アフターコロナには期待せずに、自力でこの難局を乗り越えましょう。

 また、最近では、ウクライナ状勢、中国のゼロコロナ政策などに代表される「地政学的リスク」が多方面で顕在化しています。これも私たちにとって、ネガティブインパクトです。例えば、ウクライナで生産されている自動車部品の電気ケーブルが生産できず、ドイツの自動車メーカーの生産がストップし、日本精機のHUD生産も落ち込むといった事象が現実に起きています。
 グローバルでビジネスを行う上で、地政学的リスクを分析する必要が出てきていますので、皆さんも、地政学的リスクが仕事に直結するという意識を持って、世界の情勢をよくウォッチしていただきたいと思います。

<求められる姿勢>
 私から、皆さんに3つのお願いがあります。
 1つ目は、考え方や個性など各自の多様性を大事にして欲しいということです。
方針が決まって、やることが決まれば、一丸となって取り組むことは重要ですが、そこに至るまでには各自に色々な考え方やアイディアがあるはずです。それをしっかりと主張し、お互いを尊重して議論し、納得して最善な方策に辿り着いてください。議論や納得感の無い画一性は危険です。色々な考え方やアイディアがあればあるほど、会社は強くなります。

 2つ目は、積極的に何でも先輩に聞いてください。
 三年間は何を聞いても許されます。ただし、過去を冷静に疑いながら聞いてください。これまで話したように、技術の面でも、仕事のやり方の面でも、大きな変革期の真只中です。過去のやり方が正しい保証はありませんし、過去のやり方にしがみついていては沈没します。先輩を尊敬しながら仕事のやり方を質問し、そのやり方が本当に良いのか冷静に考え、提案してください。
 
 3つ目は チャレンジ精神です。
 経営計画には、「意識改革6か条」として行動指針を入れてありますが、その中でも新入社員の皆さんには、特に、色んなことに対する積極的なチャレンジをお願いします。一人ひとりのチャレンジが会社を元気づけます。今は、技術も仕事のやり方も、チャレンジの時です。皆さんが失敗しても責めることはありませんから、安心してください。チャレンジする人を高く評価する仕組みが導入されています。

 繰り返しになりますが、「多様性の尊重」、「積極的な質問」、「チャレンジ精神」の3つをお願いします。

<最後に>
入社式に、敢えて暗い話もさせて頂きましたが、皆さんの前途は間違いなく明るいと確信します。日本精機は、遣り甲斐がある、チャレンジできる会社です。苦しくても前向きに、元気よく、笑顔で、一緒に日本精機の新しい未来を築いていきましょう。

本日申し上げた「3つのお願い」を念頭に、日々精進していただきたいと思います。
皆さんの成長が、日本精機の発展につながることを期待し、私の挨拶とさせていただきます。